グレーゾーンとよく言われるように、多くの場合左か右か、善いか悪いかなど、極端にはっきりと分けられるものではありませんが、やはり人間は白黒付けたがる生き物です。
何が正しいのか?
何が間違っているのか?
日々の選択の中で、常に私達は常に自問自答を繰り返しています。
別にその事が無意味なわけではありません。
それぞれの自問には100%とはいかなくても、80%くらい相応しい答えがあって、きちんと選ぶことが私達の責務なのでしょう。
しかし、それが長期的に見て正しい選択であったのかは、時間が経った後に振り返ってみなければわかりません。
第二次世界大戦前、ナチスドイツのヒトラーは英雄でした。
多くの民に支持され、イギリスやフランスに果敢に挑む、立派な指導者でした。
その行いの是非はともかく、当時のドイツの人々にとっては理想の政治家であったのは確かです。
しかし、日独伊が大戦で敗北し、かなりの年数が経った現在では、誰一人彼を支持する人はいません。
日本でもA級戦犯として処された人達がいますが、本当にA級でしょうか?
戦中から情報を米国にリークして熱海で米軍部と豪遊して、総理大臣にまでなった人物が尊敬される始末です。
事の善悪はその時代に明確になることはなく、数十年経ってようやくわかるようです。
数年前の失敗が人を成長させ、偉業を成し遂げる例は決して珍しくありません。
事故に遭うことで、より大きな不幸から逃れられることもあります。
何が今正しいかなんて、実際誰にもわからないのですから。
答えを知るのは、百年後の世界の誰か。
今の貴方ではないのです。
ですから私達はただ自分が正しいと信じることをやっていればいいだけ。
今のこの瞬間を精一杯楽しんで、その結果を素直に受け止めることができれば、それで十分なのです。
急速に変化し続けるこの社会。
成否を今問うよりも、せめて自分らしく生きましょう。
全てに答えがあるわけではない。
あるのは、超える道だけ…。