立春が過ぎたころから日も長くなり太陽の光が輝きを増していますね。
中国では「いち早く春を生み出す花=放春花(ファンチェンファ)」と呼ばれる木瓜(ボケ)の花を見かけるようになりました。
「ボケ」という和名は、この愛らしい花には少し似合わない気もしますが果実が瓜に似ていることから由来しているそうで、属名の「Chaenomeles(カエノメレス)」はギリシャ語で「割れたリンゴ」という意味です。
なるほどかわいい表現ですね。
木瓜(ボケ)は明治時代の文豪・夏目漱石に愛された花としても知られています。
木瓜咲くや漱石拙(せつ)を守るべく
漱石の句になります。
この句は、熊本の第五高等学校に英語教師として赴任していた1897年頃に詠まれました。
「拙を守る」とは世渡りの下手なことを自覚しながら、それを良しとして、目先の利に走らず不器用でも愚直に生きることを意味します。そして、これが漱石の目指すひとつの生き方だったのです。
漱石は小説『草枕』の中でも、
「木瓜は面白い花である。枝は頑固で、かつて曲った事がない。そんなら真直(まっすぐ)かと云ふと、決して真直でもない。只真直な短い枝に、ある角度で衝突して、斜に構へつゝ全体が出来上って居る。そこへ、紅だか白だか要領を得ぬ花が安閑と咲く。柔かい葉さへちらちら着ける。評して見ると木瓜は花のうちで、愚かにして悟ったものであらう。世間には拙を守ると云ふ人がある。此人が来世に生れ変ると屹度(きっと)木瓜になる。余も木瓜になりたい。」(夏目漱石『草枕』十二)
このように書いてます。
漱石でも、ときには揺れる気持ちもあったのでしょう。
お金はあるにこしたことはないし、広くて気持ちのいいお屋敷に住みたいと思うこともあるでしょう。しかし安易にそうした欲得に飛びつけば、心のなかの大切なものを失いかねない。だから、噛みしめるようにこの句を詠んだのです。
実ることより、拙を守ることを貫いた人へ木瓜の花の様な平静なこころ根が宿るのでしょう。
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