セキュリティーとは証券である
イーサリアムの価格が200ドル近くにあって、
暗号通貨市場自体に悲観的みている人が多いこの時期に、
新しいタイプの暗号通貨が金融大国のアメリカを中心に盛り上がり始めています。
この新しいタイプのトークンは、日本ではまだあまり知られていませんが、
セキュリティートークン (Security Token)といいます。
この場合セキュリティーはハッキングなどに対処するIT用語ではなく、
金融用語でセキュリティー(Security)で日本語で「証券」を意味します。
証券型トークンとはどのようなものなのか?
証券型トークンを用いて金融業界に新しい風を吹き込もうとしているプロジェクトはたくさんあります。
例えばブロックチェーン技術を使って様々な株、債券、不動産など様々な金融商品をトークン化し、企業が効率的に投資家から資金調達を可能にしようとしています。
事例として
また、絵画などのアート品をトークン化すれば、
財産の部分的所有を可能にすることができスマートコントラクトを使い、
自動で誰がどれだけ権利を所有しているのかを変更不可能なブロックチェーン上で確認することができます。
暗号通貨プロジェクトによる、ペイメントやユーテリティトークンを発行した資金調達であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)ということに対して、
企業がセキュリティートークンをSECなどの規制に順守した形でトークンを販売して、資金調達をすることをセキュリティートークンオファリング(STO)といいます。
ここまで書いて金融を勉強したことのある人は気づいたと思いますが、
セキュリティートークンとは今まであまりなかったタイプのトークンで、
イニシャル・コイン・オファリング(ICO)で販売されたトークンとは違い資産の裏付けがあるという事です。
不動産の証券型トークンなら不動産物件が資産となり、株式の証券型トークンなら企業の株式(オーナシップ権利など)が資産になります。
さらに証券という形をとっている以上は規制を順守する必要があります。
当然ですが、
日本人に証券型トークンを販売するに当たって日本の証券法を順守する必要がありますし、米国籍の人にトークンを販売するためには適格投資家の基準などを守る必要があります。
違法と受け取られる可能性があるICOとは違い、
証券型トークンは現在の証券の規制にしたがっているので、
急に運営側が違法性を問われるということはICOをしているよりは可能性が低いです。
(弊社が記事発行元)