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  1. Pomp newsletter

世界は食料品店がヘッジファンドのように投機をするぐらいおかしくなっている      The World Is So Crazy That Grocery Stores Are Speculating Like Hedge Funds Now

公開市場では非常に特別なことが起こっている。S&P500が過去7日間で毎日最高値を記録した。NASDAQも最高値を記録した。チャートを見てほしい。全部が右肩上がりだ。強気市場が勢いを増している。

 これは何百万人ものアメリカ国民が今回のパンデミックに関連した問題にいまだ直面しているにも関わらず起きていることだ。それは経済として知られる複雑な事象の仕組みに関する一般的な理解を否定するかのようだ。ガソリンの価格は一年前と比べて1ドル増加し、現在の全国平均は3.13ドルとなっている。商品価格の上昇がこれほど速いために住宅業者は困り果ててしまい、費用構造がしっかりと予測できるようになるまで市場に参加することを拒んでいる(背景を理解するためにこの素晴らしいスレッドを読んでみよう)。

 しかしこれは合衆国に限った問題ではない。ワシントンポストは世界中で爆発的に上昇する食品価格に焦点を当てた素晴らしい記事を公開している。記事の中でアダム・テイラー(Adam Taylor)は以下のように記している。

「国連食糧農業機関は特定食品の世界的な価格を示す同機関の食品価格指標が5月、前年比で40%高騰し、2011年以来の最高値を記録していたと述べた。

中国の輸入が急増したこと、原油価格が不安定なこと、米ドルが下落していること、そして何よりも脅威なのはパンデミック、そして特定の地域においては活動の再開である。

しかし専門家によると、人口増加、グローバル化、気候の変化を考慮すれば、価格の高騰は一時的なものではない可能性があるという。」

 では合衆国についてはどうだろうか。当然世界で最も先進的な国で私たちが同じことを経験しているわけがないだろう?大間違いだ。今朝のジェウォン・カン(Jaewon Kang)によるウォールストリートジャーナルの記事冒頭を見てみよう。

「スーパーマーケットは更に価格が高騰する前に砂糖から冷凍肉まであらゆる食品を溜め込むことで、一部の企業役員が近年でも特に大規模になると予想している価格高騰に備え始めている。

一部のスーパーマーケットは需要が増加した際に十分な在庫を確保するために、食品を購入し溜め込んでいるという。Jefferies、NielsenIQのデータによると、6月第三週の食料売り上げは2年前から15%、去年から0.5%増加していた。

食料品業界役員によると、食料小売店による買いだめが一部の主要な食物の不足を引き起こしており、輸送コスト、労働圧力、原材料の制約によってすでに圧迫されている米国食品のサプライチェーンに更なる負荷をかけているという。

この動きは去年、食糧不足に関する懸念のために消費者が食料を買いだめ食品業界に打撃を与えたのとは反対だ。今回は食品小売業者がコストを下げ、マージンを守るために買いだめをしている。」

 現状、理解することが難しい一定レベルの狂気がある。食料品店の将来的な食品価格への投機はヘッジファンドのような行いである。少し考えてみてほしい。現在の経済は食料品店が投機をするほどおかしくなっているのだ。

 投機と言えば、RobinhoodがS-1ファイリングで相当な情報を明らかにした。以下に気になったデータを列挙しよう。

  • Robinhoodには資金のあるアカウントが1800万個ある
  • そのうちほぼ100%のアカウントが月単位のアクティビティを記録している(1770万)
  • Robinhoodは810億ドルの資産を管理している

 これは非常に大きな事業だが、いくつかのひどい側面もある。例えば、タネイ・ジャイプリア(Tanay Jaipuria)はある問題を特定している

DAU/MAU比率が47%である。大手ソーシャルネットワークの場合でも50-65%の範囲にあることが多いため、Robinhoodの毎日の使用がそれほど多いことは大変なことだ。」

 通常、取引の少なさはより良い長期的なリターンにつながるという研究があることを考慮すると、このレベルのアクティビティがあることはユーザーの経済的展望にとって大きな難点だ。しかしこれはまだ最悪な問題ではない。以下の狂気を確かめてほしい。

  • Robinhoodの総収益のうち6%はDogecoinを取引するユーザーから生まれている。
  • Robinhoodの総収益のうち37%はオプションを取引するユーザーから生まれている。
  • Robinhoodの総収益のうち6.5%以上はユーザーへのマージンローンによって生まれている。

 このデータは投機!と叫んでいるように見える。投機そのものは必ずしも悪いものではないが、広範な金融市場や経済の惨劇といった背景を加えると、現在のこの状況は危ういと言わざるを得ない。

 しかし、このニュースレター冒頭で言及したように、S&P500とNASDAQは最高値を記録し続ける。それは裕福な人間がますます裕福になる一方で、上昇し続ける食品コストのような事柄が経済的弱者の経済的健全性を侵食し続けるということを意味する。

 この状況に対して文句をいうことに時間を割くよりも、私はすべての人に、経済の仕組みについて学び、マクロ経済的な動きから利益を得られるようにすることを提案する。私にもあなたにも現状を変えることは出来ない。現在の政権が6兆ドルのインフラ法案を検討しているという噂もあるため、状況がこれ以上に悪化する可能性もある。

 啓蒙は不透明な時期において平均化を図るのに素晴らしいものである。投機は楽しいものともなり得るが、世界の偉大な投資家の基本的な投資戦略を忘れてはならない。良い資産を低価格で購入することだ。それだけだ。理解は容易く、実行するのは難しい。

 良い一日を。また明日。

-Pomp-

OffTheChainジャパン

翻訳者ペンネーム:Decryptor

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