証券はどのように管理されているか?
セキュリティトークンは証券でりますが、そもそも証券はどのように管理されておりますでしょうか?
日本では証券保管振替機構というところが、
この株はAさんが保有していることを、管理している帳簿に記録しています。
米国ではCede and Companyという会社があり、同じ業務を行っています。
ちなみに、Cede and Companyは、米国で公的に発行された株式のほぼすべてを技術的に所有しています。
つまり、あなた自身が物理的に株を保有しているではなく、帳簿に、この株はあなたのものですと、記録されているだけです。
売買が行われて株の所有権が移転すれば、機構は帳簿に記録されている保有者を変更します。
ブロックチェーンとは帳簿です。
ブロックチェーンを使って証券決済を自動化する為に、世界中で国家レベルの様々なプロジェクトがあります。
証券決済について
証券決済は主に
- 売買
- 精算
- 決済
の三つのプロセスで成り立っています。
クリアリング(精算)とは、
売買が終わった後に、売買を行った人たちの証券を、受け取る総額と、引き渡す総額、そして、その二つの差額を計算する(ネッティング)プロセスです。
ここまでが、セトルメント(決済)の事前準備になります。クリアリング・ハウスという組織が、間に入ってクリアリングを行っています。当然これは、各証券銘柄ごとに行われ、銘柄が違えばネッティングは行われません。
セトルメント(決済)とは、
受け取る額が多い口座の額を増やし、引き渡す額が多い口座の額を減らします。
簡単に言う各口座の保有額の調整ですね。
特定の口座が、どの証券(銘柄)を、どれくらい保有しているかは、帳簿で管理されています。
帳簿=ブロックチェーンなので、今の証券決済の仕組みにブロックチェーンは相性が良いです。
(補足)Delivery versus payment (DVP)とは
証券の引き渡しとそれに対する支払いを、売り手と買い手の双方に条件を付けて取引を行う行為です。もし、相手が条件を満たさなければ、取引を行う必要がありません。証券と、支払いに時間差があれば、決済リスク(取りはぐれと言うそうです)が増えるので、当然ですね。